2024年11月14日に発売されたリメイク作品HD-2D版『ドラゴンクエストIII』キャラクター選択時に従来の「男女」の区別が「ルックスA」と「ルックスB」という表現に変更されたことが話題になっています。この改変は、LGBTQへの配慮や世界市場への対応を意識したものであるとされていますが、ファンや関係者の間で賛否を呼んでいます。
ドラクエ3リメイクの炎上騒動について
HD-2D版『ドラゴンクエストIII』の発売に伴い、キャラクター選択時の性別表示が「男女」から「ルックスA・B」という表現に変更されました。この改変は、LGBTQコミュニティへの配慮や、グローバル市場への適応を目的としているとされています。
従来の性別区別を廃止することで、外見や内面の性アイデンティティを柔軟に扱える仕様となった点は進歩的だと評価する声もあります。一方で、堀井雄二氏が「誰が文句を言うのか」と疑問を呈したように、従来のファンや開発者の間では違和感や反発も見られました。
日本におけるLGBTQ関連の議論はまだ発展途上であるため、多くの人がこの改変に戸惑いを覚えているのも事実です。また、ポリティカル・コレクトネスの観点から「多様性を尊重する進歩的な試み」と評価される一方で、「ルックスA・B」という無機質な表現がキャラクター選択の魅力を損なうという批判も寄せられています。特に、「Aが男性的、Bが女性的」と解釈される可能性や、それに基づく新たな批判が懸念されています。
改変への賛否両論
肯定的な意見
改変を評価する声の中には、トランスジェンダーや非バイナリーといった多様な性自認を持つプレイヤーにとって、この変更が歓迎されるべきだという意見があります。「ルックスA・B」という形式は、性別ではなくキャラクターの外見に注目し、多様性を尊重する設計だとされています。また、これはジェンダー表現の課題に対する進歩的な取り組みであり、グローバル基準を反映した革新だと捉えられています。
否定的な意見
一方で、従来のファンからは、「男女という明確な区別が失われたことで、キャラクター選択の楽しさが損なわれた」という批判が上がっています。また、「AとB」という無機質な表現がシリーズの伝統や親しみやすさを壊していると感じる声も少なくありません。堀井雄二氏自身も「誰が文句を言うのか」という疑問を呈し、この変更が真に必要だったのかを疑問視しました。
この改変は、単なる表現変更に留まらず、世界市場における受容性やプレイヤー体験の多様化を目指したものです。ただし、従来のファンにとって、シリーズの伝統が失われたように感じる可能性も否めません。日本国内外での受け止め方にギャップがある中で、この議論は、ゲーム業界が多様性と従来の魅力をどのように両立させるべきかを考える良い機会とも言えるでしょう。
ドラクエ3リメイクの評価
HD-2D版『ドラゴンクエストIII』は、オリジナル版への深いリスペクトを感じさせるリメイク作品です。グラフィックや音楽の進化、新システムによる快適なプレイ体験が光る一方で、バランス調整の甘さや性別による不公平さといった問題が足を引っ張っていますが、エンディング後のイベントや新ボスなど実際にいないとおかしいようなボスの配置などを含めて「ゲームらしさ」を追求している楽しさがあります。
原作ファンや懐かしのRPGを楽しみたいプレイヤーにとっては一見の価値がありますが、万人が満足する完成度にはまだ到達していない印象です。それでも、「懐かしさと新しさの融合」を楽しむには十分な作品と言えるでしょうし、ゲームバランスも悪いとは言え難易度を調整すれば問題ありません。
評価が面白い点や神ゲーポイントだった所
HD-2Dグラフィックの進化
HD-2Dスタイルで再構築されたグラフィックは、シリーズの伝統的なドット絵と現代的な3D表現が融合した、非常に美しい仕上がりです。特に以下の点が評価されています
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背景の立体感と光の表現
街や城、フィールドが立体的に描かれ、ノスタルジーを感じさせながらも新鮮さがあります。フィールドを歩くたびに、光や影の効果で変化する景色が冒険をより豊かに感じさせます。 -
アニメーションの強化
一部の戦闘エフェクトや環境の動きがリアルになり、冒険中の臨場感が増しました。
背景とキャラクターの視覚的な統一感がおかしく見える時もドット差があるので見える時はあります。しかし背景の明度調整でそれっぽく見えるような感じに仕上がっているので深く見ないと違和感は感じない作りでした。
ピラミッドイベントは一見してみると本当に追加要素が多いです。グラフィックの差を感じるステージの1つになっています。
音楽の再構築
すぎやまこういち氏の名曲が、オリジナルの魅力を残しつつも現代風にアレンジされました。特に「懐かしさを感じながら新鮮さを楽しむ」要素として際立っています。この点は、リメイク作品としての成功を裏付けています。
- フィールドBGMの壮大なアレンジや、戦闘曲の迫力は特に高評価。
- オーケストラ風のアプローチが冒険のスケール感を高め、旅の感動を強く演出しています。
最後のBGM。マジで名曲です。一度聞いてみてください。配信ガイドライン上では紹介出来ない要素も多いので……。
評価で賛否別れた点
ゲームバランスと大味な難易度調整
ドラクエリメイク作品で致命的な欠点はありますが、原作を踏襲したシステムの一部により、バランス調整に課題が多いです。特に大きな話題になったのは「しあわせのくつ」などの成長促進アイテムが序盤で手に入るため、難易度が低下。これにより、オリジナル版での序盤での難しさや緊張感が薄いです。種システムに加えて体力調整も可能になっており、ゲームとしての難易度で詰むといった事は無さげでした。
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敵の強さと戦闘テンポは賛否。雑魚戦のテンポ向上は評価されていますが、エンカウント率の高さが探索時のテンポを損なう場面もあります。
また、今作「性別」での問題も起きており、その点は解決されないままでした。性別による装備制限やステータスの差が依然として残っており、特定のキャラクターが役割を不利に感じる点が改善されていたもののルックスなどポリコレ配慮による点はあります。戦士の衣装変更はまさにそれでした。
ドット絵で複数種類があるのでそこまで気にしなくても良いのですが、気にする人は気にするかもしれませんが「難易度がヌルゲー」って言ってる人は序盤しか遊んでいないエアプかもしれませんのでご心配なく。
ドラクエIIIを最初にプレイする伏線回収について
『ドラゴンクエストIII』は、ロト三部作の中でも特に物語の根幹を成す「伝説の始まり」を描く作品です。しかし、それが意図的に発売順ではなく「1→2→3」という物語の時系列を逆に進む形で構成されているのは、プレイヤーに「歴史を追体験する感動」を与えるための仕掛けと言えますが今回は最初から勇者ロトと言われてしまう事や、そもそもロトとは何か?という点の言及がどうなのかという不安点が多かったように見えます。
ただ、今回はドラクエ3は1・2の作品の伏線回収という点で既に常識となっている事もあり「伏線という点では復帰勢が買うには薄い」事に変わりありません。その回収をどうするのかがスクエニ側の采配次第という所でしょうか。
まとめ
HD-2D版『ドラゴンクエストIII』は、原作への深いリスペクトを感じさせるリメイク作品です。懐かしさを求める往年のファンから、初めてプレイする新規プレイヤーまで楽しめる内容ですが、いくつかの調整不足や現代的な配慮の欠如が指摘されています。それでも、全体的には「懐かしさと新しさの融合」が見事に実現されており、一見の価値があります。
実際になつかしさはあるし、グラフィックも2Dだけだとしょぼいと思ってましたが、背景がしっかりした3Dなので奥行きと雰囲気をしっかり出してくれています。またまもの使いなどの新規やすごろくでの運ゲー排除などバランスブレイカーのような存在はしっかり消してくれているのでは?と。序盤から鋼の剣ゲットやブーメランはやばかったしねぇ…。
ただゲームの予約特典が強すぎるので、もし今から買うのであれば安くなってからの方がいい気もします。正直ゲームバランスを壊してる靴なので、ある意味ない方がゲームとしてはちょうどいいのかもしれませんけどね。