『デジモンストーリー タイムストレンジャー』(Digimon Story: Time Stranger)のクリア時間やシリーズ最高のボリュームと完成度。育成・収集・高難易度が詰まった“現代型デジモンRPG”はどういうやりこみ要素があるのか。
本稿では、メインストーリーのクリア時間から裏ボス討伐、クリア後の2周目要素、そしてコンプリートを目指すやり込みプレイまでを総合的に検証する。
タイムストレンジャーのクリア時間考察
2025年10月2日に発売された『デジモンストーリー タイムストレンジャー』は、シリーズの集大成とも言えるボリュームを誇る作品として対応プラットフォームはPlayStation5/Xbox Series X|S/Steamの3機種。ビジュアルやロード速度などの快適性はどの機種でも高水準にまとまっており、特にPS5版ではロードが数秒単位に抑えられ、Steam版では60fps動作が安定している。
発売直後からSNSやレビューサイトでは「予想以上に長い」「シリーズで最もやり込みがいがある」との声が多く、プレイヤーによる平均クリア時間や総プレイ時間が注目を集めている。
とは言うものの、『タイムストレンジャー』のメインストーリーは、シリーズ従来作と比べて明確に「長め」ではない印象。デジストのようなダンジョンやおつかいゲーなどを通して考慮しても大体は早めの人で平均値は20〜25時間で、サイドミッションや育成をこなしながら進めると30〜40時間前後として考えたい。
ただ、前作『ハッカーズメモリー』や『サイバースルゥース』と似通っているとは言え、今作は対人戦がないのでやりこんだとしても自己満になってしまう分だけあまり直に喜べないボリュームだったりします。
ストーリーなど中盤以降から伏線が一気に回収されていく展開や終盤の演出で楽しめる面が強く、ストーリー重視のファンにも支持されているもののクリア後では主にゲーム自体が育成メインのやりこみが前提となるコンテンツが多いので、それをどう楽しめるかになりそう。
課金育成次第では時間が大幅に変わる
コンテンツの寿命を縮める存在としてタイムストレンジャーの経験の間、黄金の間、資材のDLCが存在します。別途880円で購入する課金コンテンツで、経験値、通貨、素材の効率的な稼ぎが可能になるため、ゲームの進行や育成を大幅に進められるのですが課金コンテンツを前提としていないので「ストーリー自体がヌルゲー」になる難易度になるのは事実。正直言って、インフレするのでオススメはできません。
また、今作をじっくり楽しみたい人はこの要素があるかないかで大きく変わるのですが、育成面での時間が一気に減るのでただのストーリーだけの消化試合になると思います。これが嫌な人はしんどいかも。
サイドミッションと探索要素で世界が広がる
メイン進行の合間に挿入される「サイドミッション」や「デジラボ任務」は、総数60件以上に上るのでこれらをクリアするかが重要になります。会話イベントが挟まれ、単なるお使いではなくデジモンと人間の関係性を掘り下げる物語構成になっているのでそういったものが好きな人にはおすすめ。
ただし、ゲームコンテンツとして追加のバトル、限定装備、レアデジモン入手などの報酬が得られ、自然とプレイ時間が伸びていくので、プレイ時間などいろいろと楽しもうという人にはおすすめ。
クリア後の裏ボス「オリンポス十二神」がやり込みとして存在
メインクリア後に追加される目玉要素が、裏ボス「オリンポス十二神」の出現。エンディングを迎えた後、クリアデータをロードするとサイドミッション「オリンポス十二神の腕試し」が追加。秋葉原エリアの裏路地から挑戦でき、以降アウターダンジョンで彼らとの戦いが解放される。

この12体はそれぞれ属性もスキル構成も異なりやり込み要素として優秀なコンテンツではあるものの……ゲームとして周回要素の1部としてなってしまいます。
まとめ
『タイムストレンジャー』の最大のやりこみは、何と言ってもデジモンの収集で本作にはシリーズ最多となる約450体以上で「才能値上限」「親密度」「進化段階リセット」を使いこなすことでのみ到達できる進化系も存在していて図鑑100%までには50〜70時間を要する点は楽しめメインストーリー20〜30時間くらいかという感じ。
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サイド+育成で40〜50時間
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裏ボス・収集・トロフィー含めて200時間級
というプレイ時間バランスは、近年のRPG作品でも群を抜く密度だ。
Steamレビューでは「久々に“時間泥棒”と呼べるゲーム」「1匹のデジモンに愛着が湧く設計が素晴らしい」と評され、PS5版ユーザーからは「ロードの短さとUIの軽快さでやり込みが止まらない」とのコメントも寄せられています。ただDLC「アウターダンジョン」が別売扱いである点については議論もあり、「完全版として遊ぶには追加購入が前提」といった声も上がっているのが現状。
個人的にはサヴァイブよりかはやっぱりデジストで楽しめる印象もありRPGとしての完成度は高く、シリーズ未経験者でも没入できる設計ですが、課金要素や対人廃止がいただけない。グラフィックはいいのでゲーム作品としてはボリュームよりも雰囲気や必殺技などを楽しむ方に軸を置いたほうがいいでしょうね。