遊戯王の『黒き竜のエクレシア』の優勝や考察を知りたい人へ。
黒き竜のエクレシアとは
2025年10月発売予定の最新パック『BURST PROTOCOL』で、新たな《エクレシア》が登場する。その名も《黒き竜のエクレシア》。これまで融合を象徴してきた「アルバスの落胤」ストーリーにおいて、初のシンクロモンスターとして姿を現したこの一枚は、まさに“烙印物語”の新章を象徴する存在だ。
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/魔法使い族/攻2500/守2500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。
このカードをエンドフェイズまで除外し、
自分のデッキ・墓地から「アルバスの落胤」またはそのカード名が記されたレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する場合、
自分の墓地の・除外状態のレベル8融合モンスター1体とフィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカード2枚とこのカードをデッキに戻す。
烙印と相剣をつなぐ異端の光
このカードを初めて見たとき、正直「ここまで世界が交差するのか」と驚かされた。効果①はお互いのメインフェイズに自身を一時的に除外し、《アルバスの落胤》またはその関連モンスターをリクルートできるもの。これにより、相手ターンに妨害を仕掛けられるだけでなく、《白の聖女エクレシア》を経由すれば実質的に【相剣】の展開にも繋がる。
実際、テストプレイでは《フルール・ド・バロネス》を立てながらエンド時に《アルバス》を呼び出し、次ターンの融合ルートへ自然に移行できた。まるで烙印と相剣が手を取り合って動き出すような感覚だ。
レベル8という共通軸も絶妙で、これまで融合中心だった烙印軸に「シンクロによるリソース確保」という新しい息吹を与えているように思う。
墓地からのデッキバウンスは“静かなる逆襲”
効果②は墓地からの再利用を軸にしたデッキバウンス。墓地や除外のレベル8融合モンスター、フィールドのカード、そして自身の3枚をデッキに戻すという動きは一見地味だが、実戦ではこれが驚くほど効く。
筆者の対戦中、相手の《ティアラメンツ・ルルカロス》をバウンスして流れを変えた場面が印象的だった。墓地リソースを失わずに除去できるため、長期戦でも強い。
また、《烙印融合》を使うデッキでは誓約効果があるため展開制限が厄介だが、このカードなら“融合を使わずに融合の恩恵を受ける”という柔軟な選択肢を提示してくれる。
物語の「白と黒」を象徴する存在
今回の《黒き竜のエクレシア》は、同時収録の《白き竜の落胤》と対になる構成。白と黒、融合とシンクロ――相反する二つの力を内包しながら、物語上でも「光が闇を抱く瞬間」を描いたような美しさがある。
ファンとしては、《白の聖女エクレシア》が歩んできた“祈り”の道が、このカードで“覚悟”へと変わるような印象を受けた。戦いのなかで成長した彼女の姿を、このカードは確かに体現している。
総評:デッキを超えて「物語」を動かすカード
《黒き竜のエクレシア》は単なる強カードではない。融合デッキに新たなシンクロ要素を与え、相剣側には烙印の物語を呼び込む“架け橋”としての存在だ。
プレイヤー体験としても、デュエル中にエクレシアが再び立ち上がる瞬間――その静かな輝きに、思わず胸が熱くなった。カードゲームの枠を超えて、物語とデッキ構築が一体化する。まさに「BURST PROTOCOL」という名にふさわしい、新時代の到来を感じさせる1枚だ。