Switch 2の新作『ヨッシーとフカシギの図鑑』をクリアしてまず思ったのは、「これは今までのヨッシーとはかなり違うゲームだな」ということでした。
正直に言うと、最初の数時間はそこまでハマっていませんでした。
ヨッシーシリーズといえば横スクロールアクションのイメージが強いですし、敵を避けたりギミックを攻略したりしながらゴールを目指すゲームだと思っていたからです。
ところが本作はその発想自体が違います。
ゴールすることよりも、生き物を観察することが重要。敵に見える生き物も倒す対象ではなく、「何をするとどんな反応をするのか」を調べる対象になっています。
最初は戸惑いましたが、気付けば図鑑の未発見項目を埋めるために何時間も寄り道していました。
かなりクセは強い作品ですが、その分だけ記憶に残るゲームだったと思います。
本作最大の魅力は「発見そのもの」がご褒美になっていること
プレイしていて一番驚いたのは、発見すること自体がゲームサイクルになっていることでした。
普通のアクションゲームなら新しい武器や強いアイテムを手に入れることがモチベーションになります。
しかし本作の場合は違います。
「この生き物を踏んだらどうなるんだろう」
「食べたら図鑑に何て書かれるんだろう」
「水をかけたら変化するのかな」
そんな好奇心が次の行動につながっていきます。
実際にプレイしていると、開発側がプレイヤーの好奇心をかなり理解していることが伝わってきます。
何気なく試した行動に対して専用の反応が用意されていることも多く、「そんなところまで作ってあるのか」と驚かされる場面が何度もありました。
特に図鑑システムとの相性が抜群です。
ただ埋めるだけではなく、生態や反応が記録されていくため、コレクション欲も刺激されます。
子供向けのゲームに見えますが、大人の収集欲や探究心もしっかりくすぐってくる作品でした。
アクションゲームとして見ると賛否は分かれる
一方で、アクションゲームとして評価すると好みはかなり分かれそうです。
ヨッシー自体が非常に頑丈で、失敗によるペナルティも少なめです。
そのため緊張感はあまりありません。
僕自身も序盤は「ちょっと簡単すぎるかな」と感じました。
近年は高難度ゲームが人気なこともあり、達成感や歯ごたえを求める人には物足りなく映るかもしれません。
ただ、この設計にはちゃんと理由があります。
本作が重視しているのは攻略ではなく観察だからです。
もし難しいアクションが続くゲームだったら、生き物の反応を試したり図鑑を眺めたりする余裕がなくなってしまいます。
そう考えると、この低ストレスなゲームデザインは世界観と噛み合っているように感じました。
実際、プレイ時間の大半は敵を倒すことではなく、生き物を追いかけ回していた気がします。
序盤と終盤で別ゲームレベルに印象が変わる
本作を語るうえで欠かせないのが終盤の展開です。
序盤だけ遊んでいると、かわいい生き物を観察するほのぼのゲームに見えます。
しかしストーリーが進むにつれて少しずつ世界の違和感が見えてきます。
図鑑の説明文。
生き物たちの行動。
何気ない演出。
そうした要素が終盤で一気につながり始めます。
僕は途中まで完全に油断していたので、終盤の展開にはかなり驚かされました。
もちろんホラーゲームになるわけではありません。
ただ、かわいいだけでは終わらない空気があります。
SNSでも終盤の考察や伏線について語っているプレイヤーが多いのは納得でした。
プレイ後に図鑑を見返したくなる作品は意外と少ないので、その点はかなり印象に残っています。
気になったのはテンポとBGM
全体的に満足度は高かったものの、不満点もあります。
まず序盤のテンポはかなりゆっくりです。
面白さの本質に気付くまで時間がかかるため、最初の1〜2時間で離脱する人もいるかもしれません。
また、BGMについても好みが分かれそうです。
悪いわけではありません。
むしろ世界観には合っています。
ただ、歴代ヨッシーシリーズのように耳に残る名曲が多いかと言われると少し微妙でした。
プレイ後に口ずさみたくなるような曲は少なかった印象です。
ストーリーも説明をかなりプレイヤー側に委ねています。
考察好きには楽しいですが、すべてを明確に説明してほしい人には消化不良に感じる可能性があります。
総評:万人受けはしない。でも刺さる人には唯一無二
『ヨッシーとフカシギの図鑑』は、従来のヨッシーシリーズを期待すると驚く作品です。
爽快なアクションよりも発見。
攻略よりも観察。
戦うよりも調べる。
そんな方向性に全力で振り切っています。
だからこそ人は選びます。
しかし、自分で試して発見することが好きな人にはかなり刺さると思います。
僕も最初は「子供向けかな」と思いながら始めましたが、終わってみれば図鑑コンプリートを目指して何時間も遊んでいました。
最近は効率や攻略を求めるゲームが増えていますが、本作は「まず触ってみよう」「試してみよう」という純粋な好奇心を思い出させてくれます。
派手な作品ではありません。
話題性だけならもっと目立つゲームもあります。
それでもプレイ後にじわじわ評価が上がっていくタイプの作品だと思います。
評価まとめ
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 探索・発見の楽しさ | ★★★★★ |
| 図鑑収集要素 | ★★★★★ |
| アクション性 | ★★★☆☆ |
| ストーリー | ★★★★☆ |
| BGM | ★★★☆☆ |
| やり込み要素 | ★★★★★ |
| 総合評価 | 82/100 |
図鑑を埋めるのが好きな人、収集要素に弱い人、生き物観察や考察が好きな人にはかなりおすすめ。逆にスピード感のあるアクションや派手な演出を求めている人は、購入前にゲーム内容をしっかり確認しておいたほうがよさそうです。単なるヨッシーの新作ではなく、「発見する楽しさ」を主役にしたかなり珍しい一本でした。